ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング、世界初となるクラウドベースの検証可能な量子乱数生成サービスを提供開始
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング(Cambridge Quantum Computing、CEO:イリアス・カーン、本社:英国ケンブリッジ市、以下CQC)は2020年9月17日、世界初となるクラウドベースの検証可能な量子乱数生成(QRNG)サービスの提供を開始しました。ユーザー向け検証機能を統合したこのサービスは、「量子優位性」フェーズへの重要な足がかりとなります。
乱数は、ほぼすべてのデジタルインタラクションにおいて不可欠であり、幅広く利用されています。サイバーセキュリティにおけるデータと通信の暗号化や、科学、工学、金融やゲーム業界など多くの業界でシミュレーション分析の実行にも使用されています。この度CQCが開発したデバイスに依存しないアプリケーションは、IBM Quantumコンピューター上で、最高レベルの乱数、最大のエントロピーを生成します。検証可能であることから、初めて真に量子力学的(truly quantum)であり、したがって真にランダムである(truly random)ことが認定されます。
IBMとの提携の一環として、このベータ版QRNGサービスは、まずIBM Q Network リンク のメンバー企業に対して提供されます。このコミュニティには、100以上のフォーチュン500企業、学術機関、スタートアップ企業、国立研究所が含まれます。
IBM Q NetworkのディレクターであるAnthony Annunziata氏は、次のように述べています。「これは量子コンピューターを実用的かつ有用にするためのエキサイティングなステップであり、私たちは科学者や開発者がこのサービスを利用して研究を進めることを楽しみにしています。」
CQCはIBMとの協業により、量子コンピューティングにおいて2つのマイルストーンを達成しました。1つは量子計算において、もう1つは実用化に向けたクラウドサービスの提供です。古典的な暗号およびポスト量子暗号から、隠れたパターンを排除するために膨大な量のエントロピーが必要となる複雑なモンテカルロシミュレーションに至るまで、検証可能な量子乱数は関連企業や政府のアプリケーションに新たな優位性をもたらす機会を提供することでしょう。
検証可能な乱数を量子プロセッサから抽出することは、量子コンピュータ業界の長年の夢でした。現在行われている多くの方法は、疑似乱数を生成するか、ランダムに見えるものの検証できない物理的現象に依存しています。
IBMとの提携の下で開始した検証されたQRNGサービスは、IBMがQiskitモジュールqiskit_rngを通じて提供している、マーミンの不等式に基づくベルテストを統合しています。Qiskit モジュール qiskit_rngは、基礎となるプロセスの真の量子性を統計解析で検証します。CQCの研究の詳細な科学論文「量子コンピュータ上の実装を用いた実用的なランダムネス増幅(Practical Randomness and Privacy Amplification on quantum computers)」は、こちら リンクに掲載されています。
業界調査と分析のリーディング企業、Inside Quantum Technology社 リンク のLawrence Gasman社長は、次のように述べています。「通信、金融、科学など応用領域が既に幅広く存在することから、検証可能なQRNGは巨大な市場になる可能性があります。特にサイバーセキュリティは、今後短期間で検証可能な量子生成乱数に関心を持つ多くの顧客を集めることになるでしょう。」
CQCは、2018年に発表されたIBM Q Networkのスタートアッププログラムの創立時メンバーの一員として参加しました。IBMは2020年1月にCQCに出資しています。CQCは2020年7月にベンチャー企業として初のIBM Q Networkのスタートアップハブとなったことを発表しており、他のメンバーと共に化学、最適化、金融、量子機械学習および自然言語処理の研究を行うことで、業界の量子コンピューティングエコシステムを推進しています。
2014年に設立されたCQCは、量子コンピューティング業界において世界有数の企業から出資を受けています。量子ソフトウェアおよび量子アルゴリズムのグローバルリーダーとして、急速に進化する量子コンピューティングハードウェアをクライアントが最大限に活用できるようサポートしています。
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ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティングについて
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング(CQC)は、世界をリードする量子コンピューティング・ソフトウエア企業です。ケンブリッジ(英国)、サンフランシスコ、ロンドン、東京のオフィスに、38人の博士号保有者を含む70人近い科学者を擁し、世界中に大きな影響を与える量子技術の商業化ツールを構築しています。
CQCは、量子ソフトウエアにおいて、とりわけ量子開発プラットフォーム(t|ket⟩TM)、量子化学分野のエンタープライズ・アプリケーション(EUMEN)、量子機械学習(QML)、及び量子サイバー・セキュリティー・デバイス(IronBridge TM)などを提供する専門知識を有しています。ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング・ジャパン株式会社は、その日本法人です。ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティングの詳細については、www.cambridgequantum.com を参照ください。t|ket⟩ TMの詳細については、リンク をご覧ください。
本件に関するお問い合わせ
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング・ジャパン株式会社 広報事務局
(共同PR株式会社)
担当: 小野寺・伊藤・石谷
TEL: 03-3571-5275
E-mail:cqc-pr@kyodo-pr.co.jp
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