Cambridge Quantum、Quantum Originのローンチを発表 - 進行する脅威からデータを保護する量子強化暗号化キー生成プラットフォーム
※本報道資料は、英国Cambridge Quantumが2021年12月7日に配信したプレスリリースの抄訳です。
• Quantum Originは、量子コンピュータの出力を使用して暗号化キーを生成し、進化する攻撃からデータを確実に保護する最初のプラットフォーム
• 弱い乱数ジェネレーター(RNG)の使用から生じる今日のセキュリティ問題から、ユーザーを保護
• Quantum Originは、「今のうちにハッキングし、後で解読する」という攻撃手法からの保護にも役立つ。これらの攻撃はすでに発生しており、将来的に影響がある
• Quantum Originによって生成された量子強化暗号化キーは、検証可能な量子ランダム性に基づいており、既存のシステムに統合することが可能。 このプロトコルは、量子力学のユニークな特徴である「量子もつれ」に由来
• Quantum Originは、RSAやAESなどの従来のアルゴリズムと、米国国立標準技術研究所(NIST)によって現在標準化されているポスト量子暗号アルゴリズムをサポート
英国ケンブリッジ市 2021年12月7日発表 – 世界最大の統合型量子コンピューティングカンパニーであるQuantinuumの完全子会社であるCambridge Quantum(以下CQ)は、検証可能な量子ランダム性に基づく世界初の商用暗号鍵生成プラットフォームであるQuantum Originのローンチを発表しました。これは、ノイズの多い中規模の量子(NISQ)コンピューターを使用して構築された最初の商用製品であり、暗号化に対する現在および進行中の脅威から世界中のデータを保護するために開発されました。
ランダム性は、今日のセキュリティソリューションを保護するだけでなく、将来における量子攻撃の脅威からシステムを保護するという観点からも重要です。このような攻撃は、決定論的な乱数生成方法のみならず、検証可能なランダム性ではない量子ソースからの乱数生成方法をもさらに弱体化させるでしょう。
今日のシステムは、RSAやAESなどの暗号化標準によって保護されています。それらのレジリエンスは、乱数ジェネレーター(RNG)から長い文字列を「切断」できないことに基づいています。 しかし、今日のRNGには、真の検証可能なランダム性が欠けています。 生成される数は思ったほど予測不可能ではなく、その結果、そのようなRNGは、ますます多くのサイバー攻撃の標的となっています。これに加えて、量子攻撃の潜在的な脅威は現在さらに危険を高めており、後に量子コンピュータを使用してデータを復号化する目的で、インターネットを通過する暗号化されたデータを盗む犯罪者を誘因しています。 これは、いわゆる「今のうちにハッキングし、後で解読する」という攻撃手法です。
Quantum Originは、今日、そして将来の脅威から保護するクラウドホスト型プラットフォームです。量子力学の予測不可能な性質を利用し、Honeywellの技術を搭載したQuantinuumのHシリーズ量子コンピュータから検証可能な量子ランダム性がシードされた暗号鍵を生成します。 RSAやAESなどの従来のアルゴリズムと、米国国立標準技術研究所(NIST)によって現在標準化されているポスト量子暗号アルゴリズムをサポートしています。
QuantinuumのCEOでCambridge Quantumの創設者であるIlyas Khanは、次のように述べています。「私たちは、量子コンピューターが普及した今日そして将来、敵や犯罪者に対する防御策をパートナー顧客に提供するために、量子コンピュータの独自の機能を効率的・効果的に使用する方法の開発に長年取り組んできました。」彼は続けて、「Quantum Originは、現在最も洗練されている驚異的な脅威、そして将来の量子コンピュータの脅威から身を守る手段を私たちに与えてくれるでしょう。」と述べました。
Cambridge Quantumの量子サイバーセキュリティチームの責任者であるDuncan Jonesは、次のように述べています。「組織の大規模な攻撃から国民国家のハッカー、そして「今のうちにハッキングし、後で解読する」という攻撃に対する懸念など、脅威は今日非常に現実的なものとなっています。企業は、現在、そして将来の暗号化レベルで最大限の保護を確保するために、可能な限り、あらゆる防衛策を展開する必要があります。 」
オンデマンド量子強化キー
Quantum Originを使用することによって、ユーザーが量子強化キーの生成を必要とする際に、APIを介して呼び出しを行うことが可能になりました。Quantum Originは、転送中に記録されないようにするために、転送キーで暗号化する前にキーを生成し、ユーザーに安全に中継します。ユーザーに暗号化キーが可能な限り予測不可能であるという高レベルの保証を提供するために、Quantum Originは量子コンピューターからの出力全体をテストし、各キーのランダム性が検証されていることを確認します。
これらのキーは、従来のサイバーセキュリティシステムやハードウェア上で使用できる形式で提供されるため、シンプルで、顧客の既存のシステムに簡単に統合することが可能です。 このエンドツーエンドのアプローチにより、キーの生成がオンデマンドで行われ、安全性を維持しながら、使用に応じて拡張出来るようになります。
Quantum Originの使用例
Quantum Originキーは、強力なサイバーセキュリティが必要なあらゆるシナリオにおいて使用出来ると考えられています。 Cambridge Quantumは、まずは銀行・証券会社やサイバーセキュリティ・ベンダーにQuantum Originを提供し、後に通信、エネルギー、製造、防衛、政府などの業界に展開していく予定です。
この技術は、ローンチパートナーとの一連のデモンストレーションで使用されています。Axiom Spaceは、Quantum Originを使用して、ISSと地球間の耐量子暗号化通信のテストを実施しました。 このテストでは、検証可能な量子ランダム性からシードされた耐量子鍵で暗号化されたメッセージ「Hello Quantum World」を地球に送り返しました。Fujitsuは、従来のアルゴリズムに加えて量子強化キーを使用することにより、Quantum OriginをSDWANに統合しました。
詳細については、以下をご参照ください。
• Quantum Origin
(リンク »)
• パートナー顧客のユースケース
(リンク »)
• Cambridge QuantumとDimensional Researchのグローバルリーダー調査
(リンク »)
以上
ケンブリッジ・クオンタムについて
2014 年に設立され、世界有数の量子コンピューティング企業の支援を受けているケンブリッジ・クオンタムは、量子ソフトウェアと量子アルゴリズムのグローバルリーダーであり、急速に進化する量子コンピューティングハードウェアを最大限に活用することができます。ケンブリッジ・クオンタムは、欧州、米国、日本にオフィスを構えています。2021年11月30日にケンブリッジ・クオンタムは、ハネウェル・クオンタム・ソリューションズとの経営統合が完了し、Quantinuumを設立したことを発表しました。
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