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2022.05.24
ANNOUNCEMENTSOFTWARE

クオンティニュアム、量子計算化学ソフトウェアプラットフォーム InQuanto を発表

InQuanto は、最先端の量子計算化学ソフトウェアプラットフォームであり、現行の量子コンピュータを活用して新たな知見を得たいと考えている計算化学者のために設計されています。
量子コンピューティングの世界的企業であるクオンティニュアムは、本日、最先端の量子計算化学ソフトウェアプラットフォーム「InQuanto(読み:インクァント、旧名:EUMEN)」のリリースを発表しました。同アプリケーションを用いることで、計算化学者をはじめとするユーザーは、現行の量子コンピュータで様々な量子アルゴリズムを簡単にトライアルできるようになります。

InQuanto は、最新の量子コンピューティングツールをひとつのアプリケーションにまとめたスタンドアロンのプラットフォームとして、今後、主に企業向けに提供されます。InQuanto は、クオンティニュアムの量子化学チームが開発・導入してきたものであり、これまで、BMW、Honeywell、JSR、日本製鉄、TotalEnergies といったパートナー企業との協業を円滑なものとし、それぞれの業界に特化した量子コンピューティングのユースケースを探索するために利用されてきました。これらのパートナー企業は、各分野における複雑な分子および材料シミュレーションの精度向上への量子コンピューティングの活用の可能性を探るため、InQuanto を使用しています。

InQuanto は、最新の量子アルゴリズム、高度なサブルーチン、化学特有のノイズ緩和技術を組み合わせ、現行の量子コンピュータの性能を最大限に活用することを可能にします。また、同アプリケーションは系を分割する機能を有しており、計算化学者が産業界に関連する大規模な問題を、今日の小規模な量子マシンで実行可能な問題へと変換します。クオンティニュアムのオープンソース Python ツールキットである TKET を利用しているため、電子構造シミュレーションの計算量を削減し、幅広い量子デバイスやシミュレータの性能を最大限活用することができます。

Moor Insights and Strategy 社の CEO 兼チーフアナリストである Patrick Moorhead 氏は、 「量子コンピュータは、迅速でコスト効率の良い分子・材料開発を可能にするものであり、我々が直面する最大の課題のいくつかに対して新しい答えを示す可能性があります」と述べています。「進歩を確実なものとするためには、実際のユースケースを使って今すぐプロトタイピングを開始し、業界の実際のニーズを解決するために手法を開発していくことが必要です。InQuanto はまさにこれを可能にするために設計されています。」

BMW 社とクオンティニュアムは、今日のマシンで最高のフィデリティを達成することを目標に、InQuanto プラットフォームを使用し、水素燃料電池の電極反応のシミュレーションを共同で行ってきました。この共同研究では、酸素還元反応のモデリングに重点を置いています。この共同研究は、効率的な触媒と電極の設計に量子コンピュータがどのように役立つかを示すものです。

BMW Group New Technologies and Innovation において量子コンピューティングをリードする Elvira Shishenina 氏は、「量子コンピュータを用いた材料モデリングの今後の進歩のためには、量子技術と我々のアプリケーションの両方に対する深い理解が必要不可欠です。燃料電池の専門知識と高度に予測可能な量子コンピューティングシミュレーションを組み合わせることで、実際の実験を伴わないプロトタイピングに向け、新材料開発を加速することができます。」と述べています。

グローバル・パートナーとの共同研究開発を通じて開発した InQuanto の技術は、これまで数多くの「初めて」の成果を上げています。例えば、今日の量子デバイスを用い、薬剤とタンパク質の相互作用を初めて定量化しました( (リンク ») )。日本製鉄とのコラボレーションでは、鉄鋼開発のための鉄の結晶などの材料をシミュレートし、その能力を証明しました( (リンク ») )。また、TotalEnergies と発表した論文では、炭素回収のための金属有機構造体(metal-organic framework)のモデル化に使用されました( (リンク ») )。

クオンティニュアムの CEO である Ilyas Khan は、次のように述べています。「この度 InQuanto をリリースできることを大変嬉しく思っております。InQuanto は、量子化学分野において、様々な産業を代表する企業の積極的な支援のもとに開発された製品となります。私たちは計算化学者たちのために、この分野に特化した製品を開発しました。InQuanto は、彼らが精通している古典的な手法と、大きな可能性を秘めた量子コンピューティング技術によるアプローチとの架け橋となることを目指しています」

JSR 株式会社のマテリアルズ・インフォマティクス推進室 主任研究員である佐久間怜氏は、次のように述べています。「JSR は非常に早い時期から Quantinuum と緊密なパートナーシップを締結しています。InQuanto(旧 EUMEN)のベータテストにも参加しており、新規素材や物性予測の研究開発への適用可能性について、検討してまいりました。InQuanto はマニュアルが分かり易く、また量子化学計算に必要なアルゴリズムがモジュールとして予め用意されているため、量子コンピューティングの深い知識がない研究者やエンジニアでも手軽に使用できる点が非常に優れていると感じています。将来的には、量子コンピューターの更なる性能向上を前提に、研究開発だけでなく実際の製造現場などでもInQuanto を活用できると良いと思います。量子ハードウェアからソフトウェアまでを一貫して提供可能な稀有な企業である Quantinuum の今後の更なる発展を、パートナーとして大いに期待しています」

また、Honeywell Performance Materials and Technology(PMT)と共に InQuanto を活用し、新規冷媒の設計における量子コンピューティングの有効性を検証しています。多くの産業で広く使用されている冷媒用の複合化合物は、毒性、燃焼性、安定性などの特性のほか、地球温暖化係数やオゾン破壊係数も考慮して選択されています。環境に優しい新しい冷媒を見つけることは、将来の持続可能なソリューションのための重要な課題です。この共同研究では、InQuanto に組み込まれた機能を使って、単純な冷媒であるメタンガスと単純な大気中のラジカルとの反応をモデル化しました。

Honeywell PMTの CTO である Gavin Towler 氏は、次のように述べています。「Honeywell は、量子コンピューティングをどのようにビジネスに利用するかを理解することに、大変興味があります。InQuanto のようなツールは、環境性能を向上させた新しい化学物質を発明・発見する上で貴重な役割を果たすことでしょう」

さらに、クオンティニュアムは三井物産株式会社と提携し、グローバルな産業界へのネットワークをもとに、日本およびアジア太平洋地域の産業顧客および研究者へのInQuantoの提供を加速させていきます。

三井物産株式会社 デジタル総合戦略部 デジタルテクノロジー戦略室長 戸田 詩門 氏は、次のように述べています。「量子コンピュータの世界的なパイオニアであるクオンティニュアムと協業できることを非常にうれしく思います。InQuanto プラットフォームは、化学産業の研究開発活動に大きなイノベーションをもたらすと確信しています。当社の幅広い事業資産と業界・地域における独自のポジションを活かし、クオンティニュアムとともに、お客様が新たな革新的価値を創造することをサポートしてまいります」

InQuanto プラットフォームを活用したユースケース探索等のご相談は、inquanto@quantinuum.com までご連絡ください。InQuanto の詳細については、 (リンク ») をご覧ください。また、InQuantoライセンスは、Honeywell が提供するイオントラップをベースにした量子コンピューティング・ハードウェアである Quantinuum システム・モデルH1へのアクセスをオプションとして提供しています。

InQuantoのミディアム記事は、以下リンクよりご確認いただけます。
(リンク »)

Quantinuum(クオンティニュアム)について
クオンティニュアムは、Honeywell Quantum Solutions の最先端ハードウェアと Cambridge Quantum の最先端ミドルウェアおよびアプリケーションを併せ持つ世界最大の量子コンピューティング企業です。
米国、欧州、日本に7つの拠点を持ち、300人以上の科学者を含む400人以上の従業員を擁しています。
「Science Led, Enterprise Driven」をスローガンに、量子コンピューティングならびに化学、サイバーセキュリティ、金融、最適化などのアプリケーションの開発を加速しています。エネルギー、物流、気候変動、健康などの分野において重要な問題を解決するためのスケーラブルで商用的な量子ソリューションを創造することに重点をおいています。

クオンティニュアムのオープンソース開発者ツールキット TKET は、世界有数の量子ハードウェアとシミュレータへのプラットフォーム包括的なアクセスを提供し、サイバーセキュリティ鍵生成プラットフォーム Quantum Origin、量子計算化学と材料科学のパッケージ InQuanto、量子自然言語処理と計算言語学ツールキット lambeq などのあらゆる量子製品の性能を向上させます。

クオンティニュアムの H1 世代量子コンピュータ(Powered by Honeywell)は、計算能力の指標のひとつである Quantum Volume において4096 ベンチマークを初めてクリアした世界最先端のコンピュータです。2020年3月にクオンティニュアムはその後 5 年間、商用 H シリーズ量子コンピュータの Quantum Volume を毎年1桁ずつ増加させることを約束しました。

Honeywell の商標は、Honeywell International Inc.のライセンスに基づき使用されています。Honeywell International Inc. は、この製品に関していかなる表明も保証も行いません。 本製品はクオンティニュアムによって制作されています。

以上

□ 本件に関するお問い合わせ
ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング・ジャパン株式会社 広報事務局
(共同PR株式会社)
担当: 伊藤、石谷
TEL: 070-6464-5236(伊藤)
E-mail:cqc-pr@kyodo-pr.co.jp
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