量子技術スプリングスクールを東京大学にて開催
2025年3月27日、28日、31日の3日間、東京大学 先進科学研究機構と理化学研究所と共同で、東京大学教養学部の学生を対象にした量子技術に関するスプリングスクールを開催いたしました。本プログラムでは、基礎となる量子情報の講義、Quantinuum社のイオントラップ型量子コンピュータの仕組みの講義に加え、量子コンピュータのエミュレータや実機を用いたハンズオン演習を実施するもので、教養学部1、2年生を中心に理学系および工学系の学生約13名が参加しました。
初日には、東京大学 先進科学研究機構 福島 孝治 機構長より開会の挨拶があり、その後、クオンティニュアム株式会社の研究者たちが「量子コンピュータの現状」、「Quantinuum社のイオントラップ型量子コンピュータの仕組み」についての講義を行いました。続いて、「量子情報基礎」の講義では、複素数や線形代数といった数学の基礎知識、および量子力学との関連性、さらに量子計算を行うための量子ビット、量子ゲート、測定といった基本構成要素について説明しました。
2日目は、Quantinuum社の量子ソフトウェア開発キット(SDK)「TKET」で量子回路を作成し、量子回路の最適化、そして量子コンピュータに実行するまでのハンズオン講義を実施し、さらに量子誤り耐性理論の概要についての講義も行いました。3日目には、実際にプログラミングを行う演習を通じて、学んだ内容を実践的に理解する機会を提供しました。
参加した学生からは、「実際の量子コンピュータを使用できる貴重な経験となった」「自らプログラムを作成し、体感できたことが大変有意義だった」との好評の声が寄せられました。また、今後の発展的な内容として、素因数分解などのアルゴリズムの具体例や量子コンピュータの量子化学への応用についての講義を希望する声もあり、学生の量子コンピュータおよび量子計算に対する高い関心がうかがえました。
量子コンピュータや量子計算は、まだ一般には身近な技術ではないものの、本ワークショップは、それらの分野に触れる貴重な機会となるだけでなく、第一線で活躍する研究者から直接学ぶことができる貴重な場といえます。今後も、定期的にこのようなプログラムを開催し、より多くの学生が最先端の量子技術に触れられる機会を提供してまいります。




・全体の講義及び演習:米澤康好
・「Quantinuum社のイオントラップ型量子コンピュータの仕組み」講義:奥野大地
・Nexusユーザーオンボーディング:増井陸
・演習サポート:増井陸、佐々木寿彦
本件に関するお問い合わせ、ご質問は弊社までお知らせください。
クオンティニュアム マーケティング担当:japan.marketing@quantinuum.com