QUANTUM COMPUTING _ SOFTWARE
TKET(ティケット)は、ゲート型量子コンピュータ向けのプログラムを作成・実行するためのソフトウェア開発キット(Software Development Kit, SDK)です。独自の量子回路最適化機能が組み込まれており、今日の比較的ノイズが多い量子コンピュータ(NISQデバイス)の性能を最大限に引き出せます。
TKETはオープンソースで提供されており、PyTKET Pythonパッケージをインストールいただければ、どなたでも簡単に使い始めることが可能です。拡張モジュールも豊富で、現在提供されている様々な量子コンピュータやシミュレータに対してご活用いただけるほか、その他の量子ソフトウェアライブラリとの互換性も有しています。
TKETは、Google AI Quantumをはじめ、多くの研究機関、大学、企業の研究者にご利用いただいています。高性能・多機能ながらオープンソースのSDKなので、どなたでもご利用可能です。またTKETは高い互換性も備えているため、他の量子SDKをお使いの方でも、これまでに作成したアルゴリズムを簡単にお使いいただけます。ユーザーマニュアルや専門スタッフによるサポート体制も充実しており、量子プログラミングが初めての方にもご利用いただいています。TKETのデモンストレーションや、実際にTKETを体験いただくイベントも随時開催しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
回路の最適化
TKETには、ユーザーが作成した量子回路を自動でよりシンプルな構成に改善する独自の最適化機能が組み込まれています。使用する量子コンピュータ(NISQデバイス)のノイズを低減し、全体的な性能を向上させるPythonモジュールであるQermitも併せて提供しています。これらの機能を最大限活用することで、ユーザー企業はノイズ低減のためのプログラミングに煩わされることなく、本来時間を割くべき本質的なタスクに集中できます。
多様なプラットフォームとの互換性
TKETは、Qiskit, Cirq, Pennylane, pyQuilなどの様々な量子ソフトウェアパッケージと連携するための拡張モジュールを備えています。つまりTKETでは、あるプラットフォーム向けに作成されたプログラムを、別のプラットフォーム向けに簡単に変換することができるのです。
これにより、ユーザーは一度作成したプログラムを、最小限のコード変更により、パフォーマンスを損なうことなく別のNISQデバイス(IBM-Q, Google, Rigetti, クオンティニュアムなど)やシミュレータ(Qulacs, Stimなど)で再実行できます。
量子回路作成ルールへの自動対応
量子コンピュータは、作成された量子回路が一定のルールを満たしていなければ動作しません。このようなトラブルを避けるため、TKETにはコンパイルされた量子回路が使用する量子コンピュータの制限(回路のレイアウト、量子ビットのルーティング、ゲートの合成など)を守り、かつ最小限のオーバーヘッドによる実行を自動的にチェックする機能が組み込まれています。